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学ぶ:フランス人の迷信

迷信深い人々がいるのはどこの国でもいっしょのようです。 フランスでは、家の中で雨傘を広げると「縁起でもない」と慌て、鏡を割れば「7年の不幸! ! !」。それからまた、劇場関係者は「緑色」と「うさぎ」を忌み嫌います。アクターの卵がオーディションを受るときに「うさぎ」をプリントした「グリーン」のTシャツを着て行ったりするのはもってのほか。それから「corde(ロープ)」という言葉を口の端に乗せることも彼らは避けます。どうしてそういうことになったのか、その起源は大方の人は知りませんが、知らないままに関係者は現在でもウサギ、緑、Cordeという言葉を避けています。その起源や、縁起の悪い事をしてしまった!! 時の対処法などをまとめました。

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フランスの迷信
うさぎのイラストどういう業種が一番迷信深いかというと、船乗り、俳優、スポーツの選手、ギャンブラーなどが上位に来ます。こういう人たちだけでなく、“普通”のヒトでも結構迷信深いのです。5人に1人のフランス人は数字の13をこわがるし、2人に1人は厄除けの意味で「Je touche du bois」といってそばにある木(椅子とか木製のもの)に触ります。「Je ne suis jamais malade」とか言ってしまった時に、「(キャッ、そんなこと言ってしまったけど)どうか病気になりませんように」と木に触るわけです。
逆に馬の蹄鉄(イミテーションでもよい)、四つ葉のクローバー、うさぎの足、ブラジルのブレスレット(マクラメ)、ファチマの手(開いた手の形をしたお守り:イスラム起源)などをお守りにする人がいます。着るものでも縁起をかつぎますね。サッカーの選手のBasile Boliは試合に出るときは必ずカンガルーパンツをはいていました。縁起をかついだ「しきたり」もあります。Laurant Blancは、必ず試合前にBarthezの頭にキスしていました。何の意味もないとわかっていても、迷信とは、何が待ちうけているかわからない未来に安心して対峙できるという意味で役に立っているのだと専門家は説明しています。

では、「迷信上」いやなことがおきた場合フランスではどうするかご紹介しましょう。
鏡を壊したとき
言い伝えでは、鏡に移る像は我々の魂の反映なので、鏡を壊すことはそこに潜んでいたエスプリを解放することになる。ところが「解放されたエスプリ」というのは、「当然ながら」危険なものなのです。
対処の仕方:壊れた鏡を水のなかに捨てる。水に移ったあなたの像はちゃんとしているでしょう。つまりエスプリは再び水のなかに封じ込められて鏡は元通りになったようなもの。なんだかわかったようなわからないような。まあ、迷信なんてこんなもの、理屈を深く考えることはありません。

お茶を入れて茶柱が立っているとイヤ〜な気分になる。いくらなんでもそんな人はいないでしょう。なんとなくウレシクなったりするものです。風神がいて雷神がいて(いまでも雷が鳴ると「くわばら、くわばら」なんて唱えるおばあちゃんは存在するのでしょうか?)、要するに八百万も神がいる日本ならわかる気もしますが、フランスは? これがけっこうあるのです。演劇関係者が「ウサギ」を嫌う理由をお教えしましょう。BGMはズバリ、スティービー・ワンダーのSuperstitionがイイですね。

「その名」を口にしてはイケナイ
舟の上で「その名」を言うのは厳禁。その名とは、ほら、耳が長くてニンジンが好きなアレ、アレですよ。この迷信は帆船の時代に遡る古いものです。長い船旅に出るときは、豚、ニワトリ、ウサギなどを食料として舟に乗せていました。ところがウサギは、chanvre(麻)でできた綱をかじってしまうのです。それがウサギを避けることになった原因。それでは演劇関係者がウサギを避けるのはなぜでしょうか。劇場の大道具は長いあいだ滑車とロープで操作していたので、大道具係がロープの扱いになれた元船乗りでした。それで迷信も一緒にいすわったのです。
対処の仕方:舟の上で「ウサギ」と口にしてしまったら、とった魚を一匹海に返して海の怒りを鎮める。

梯子の下を通ってはイケナイ
この迷信の背景にはキリスト教のシンボリズムが潜んでいます。梯子と梯子をたてかけた壁と地面は三角形をなすでしょう。キリスト教徒にとってこの三画形は、「父と子と聖霊」という三位一体を思わせるものです。その下を通るのは三位一体を壊すことであり、超自然の力に挑戦することなのです。
対処の仕方:犬に出会うまで指(人さし指と中指)を交差させたまま歩く。あるいは、自分の左の靴につばをはきかける。ちょっとキタナイけど、犬が来ないうちに不幸が訪れても困ります。

カレンダー「13日の金曜日」がやって来て「アァァ、不吉な日」と布団をかぶって家から一歩も出ない、なんていう日本人は少ないのではないでしょうか。このまえは5月13日が金曜日でしたが、忘れていた人も多かったでしょう? (ちなみに次は来年の1月13日です)。クリスチャンが大半を占めるフランスで「13日の金曜日」に特有な現象といえば...。
トリスカイデカフォーブ
13という数字をこわがるヒトのことをトリスカイデカフォーブ(triskaidekaphobe)といいます。13を忌み嫌う人は数千年に及ぶ伝統の重荷を背負っているのです。伝統では12という数が聖なる数でした。1年が12カ月、オリンポスの12の神、それより後では、イスラエルの12の部族、キリストの12人の使徒...。12という数は完ぺきなサイクル、complétudeの同義語でした。欧州連合(EU)の旗の星の数を数えてみてください。これも12個、加盟国の数とは関係がなく、「完ぺきな調和」を表しています。13になるとこの調和が破壊されるわけです。最後の晩餐のテーブルについていたのは13人だったでしょう。
次に「13日の金曜日」ですが、キリスト教文明に限らず多くの文明において金曜は不吉な日という扱いをうけています。不吉が二倍になると考えられて「13日の金曜日」が忌み嫌われるわけです。ただし13と金曜日という2つのネガティブ要因は、合わせると相殺される、あるいは逆に幸運が舞い込んでくる、なんていう都合のいい(?)解釈があることもたしか。フランスで「13日の金曜日」に特有な現象といったらこれでしょう。ロト(種々の宝くじ)を運営しているFrançaise des Jeuxの売上が、13日の金曜日には普段の日の3倍に膨れます。少なくともFrançaise des Jeuxにとっては儲けが二倍(以上)になってますね。

お塩をこぼすな
お塩は腐敗から守ってくれます。清いもの、生命の同義語です。だから無駄にしてはならず、食卓で塩入れをひっくり返すのは縁起が悪いとされます。その一方で、その生命と同義語の塩を食卓で「はいお塩」と誰かに渡してあげてはいけません。渡された人にとって縁起が悪いのです。これは、塩入れにこっそりヒ素を入れて、殺したい相手に「はいお塩」と渡すこともあった宮廷生活(ルイ14世など)の名残りです。
対処の仕方: 塩入れをひっくり返したら、自分の左肩越しにお塩をまきます。


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