どこに泊まる?
安上がりな旅と言えば、誰の頭にも浮かぶのがユースホステル(オーベルジュ・ド・ジュネス:Auberge de jeunesse)でしょう。フランス国内のユースホステル数は160軒。ユースホステル協会の会員になっておけば誰でも(若くなくとも)利用できます。しかし、一人旅ならまだしも、友達や恋人同士での旅だと、ユースホステルの「健全さ」とか「青臭さ」にはわりと簡単に辟易してしまうもの(まあ、それが好きな人も多いですが)。そういうあなたのための宿泊手段は、キャンプです(!)。キャンプというと抵抗のある人も多いかもしれませんが、フランスでは充分一般化しています。夏のバカンスシーズンになると、専門店のみならずカルフールやモノプリ等、普通のスーパーでテントや寝袋が手に入るようになります。それをリュックサックに担いで出かけるわけ。雨が嫌な人は(私は雨や雪の中キャンプするのが大好きですが)、雨の日だけ屋根のある宿にとまれば良い。清潔な着替えが必要という人は、行く先々でコインランドリーに行けば良いというわけです。で、キャンプ場の選び方です。フランスではなぜかキャンプ場にも「星」がついています(笑)。これは、キャンプ場の設備の程度によってランク付けされているのですが、最高級(四つ星)のばあい、テントを張るスペースのほかに、プール、テニスコート、託児施設、レストラン、バー、売店、炊事施設、シャワー、水洗トイレそして移動ディスコや移動映画館などもついてることが多いです。大きなキャンピングカーで来る家族連れが多く、夜中もディスコが夏の流行り曲(tube
de l' été)をかけまくるので、静寂を求める向きには難ありですが、お祭り好きはもう大ハッスル。こうしたところを拠点にして、周りの森や湖や砂浜を我が物顔に散歩するわけですよ。逆に静寂と田舎の素朴さを求める向きには、農場の一部を開放したキャンプ場(キャンピング・ア・ラ・フェルム:camping
à la ferme)というのがあります。これは大抵牧草地の一部か農場の庭をキャンプ場として解放したもので、プールやディスコはありませんが、シャワーや水洗トイレはきちんと整備されています。フランス国内のキャンプ場は、ここなどで見つけられるます。
農場キャンプ場のガイドは:
Campings à la ferme et châlets loisirs
ユースホステル、キャンプ場ときたら、次に安いのはジット(Gîte)ですな。ジットというのは日本でいう民宿くらいの意味でしょうか。農家の離れなどを旅行客に開放したジット・ルーラル(Gîte
rural)、短期滞在用のジット・デタップ(Gîte d' Etape)、長期滞在用のジット・ド・セジュール(Gîte
de Séjour)と大体3種類に別れます。どれも炊事施設、洗面所等完備で、寝室のほか応接間などがついていることが多く、家族連れや友人同士の滞在にはもってこい。大家さんが農家の場合、地元自慢の特産品など産直価格で分けてもらえる場合もあります。ジット・デタップはその名の通り、移動形の旅行で、目的地にいたるステップとして利用するもので、一泊単位での利用が可能。ジット・ルーラルは数日単位(週末など)、ジット・ド・セジュールはさらに長い期間(一週間以上)での利用となる。古い農家などを利用している場合が多く、料金の割にずいぶんと豪華なところも多い。こういうところに長期滞在して、ご飯はその日の気分で自炊したり、近くの食堂で食べたりするのが良い、蝉の声なんか聞きながら……。
ジットのガイドは:
Gîtes ruraux
このほかに、シャンブル・ドート(Chambre d' Hôte)なる宿もあります。これはお城や農家などの部屋に泊めてもらうという趣向で、一泊単位で利用が可能。朝ご飯付きなので、イギリスのB&Bと同じようなノリと考えていただければよい。信じられないくらいの値段で庭園付きのお城の一室に泊まったりできる。ターブル・ドート(Table
d' Hôte)有りとある場合、別にお願いしておけば手作りの夕食にありつくこともできる。大抵は地元の特産品を活かした質素な料理が多いが、ターブル・ドートが目当ての客も多いらしい。
民宿のガイドは:
Chambres d' hôtes de charme
上記宿泊施設は全て、ジット・ド・フランスのホームページから検索することもできます。このほか、目的地の観光案内所や不動産屋などでバカンス期間貸しに出されているアパートを探すとか、休暇期間中友人とアパートを交換するとか、いろいろ裏の手もありますが、こういうのはちょっと上級手段なのでまた別の機会に。
どうやって行く?
■■ 電車に乗る ■■
国鉄(SNCF)のチケットは、駅の窓口に並んで買うのが一般的ですが、その際、駅によっては「今日出発:Départ immédiat」の窓口、「国内線:Lignes
Domestiques」の窓口、「国際線:Ligne Internationales」の窓口が別れている場合があるので注意。ちなみにパリ市内には7つ国鉄の駅があって、リヨン駅は地中海方面のほかスイス、イタリア行き電車が発着。セーヌ川を挟んだ向井側にあるオステルリッツ駅は中仏方面、モンパルナス駅はブルターニュ方面、サン=ラザール駅はノルマンディー方面、東駅はアルザスなどの東仏方面、北駅はノール県などの北仏方面の他ベルギー行きのTGV(タリス)、イギリス行きのTGV(ユーロスター)の発着駅と、一定の規則性があるのに注目。7目のの駅はベルシー駅で、影は薄いですがイタリア行き夜行列車の発着するマニア垂涎のスポットです(笑)。駅のほかにも大都市の主要地点には、ブティックSNCFというのがあって、駅よりはゆったりとチケットを買うことができます。
行列が嫌いな人、人込みがたえられない人、めんどくさい人は、オンラインでもチケットを買うことができます。この場合は、SNCFの予約サイトに行って、《Au
départ de :》に出発地、《A destination de :》に目的地を書き込みます。片道チケット(Aller
Simple)か、往復チケット(Aller-Retour)かを選択し、適宜《Départ : (JJ/MM/AAAA)》に出発日を、《Retour
: (JJ/MM/AAAA)》に帰着日を、日/月/年の順に記入し(例えば14/09/2005)、その横のプルダウンメニューから希望出発時間を選びます。後は希望のクラス(1等か、2等か)、禁煙車がいいかどうか、座席を予約するかしないか(フランスの場合、TVGをのぞきほとんどの場合予約は不要ですが、不安な場合やどうしても座りたい場合に予約をすることはできます)を指定し、人数(年齢により料金が違う場合があるので注意)を指定して、《Rechercher
maintenant》をクリックすると、条件に合うチケットの一覧が表示されます。この中から希望の時刻と料金のものを選んで、クリックすると、確認画面が出るので、《Valider
votre commande》をクリックします。すると、注文の種類を選ぶ画面が表示されるので、オンラインで支払うか、予約だけして指定された期日以前に駅などで支払うかを選びます。
■■すぐにオンライン決済する場合:出発までに駅の自動発券機(または駅の窓口やブティックSNCF)でチケットを受け取る。
■■予約だけする場合:予約時に送られてくる確認メールのリンクからSNCFの予約ページに戻ってきてオンラインで支払っても良い。この場合、出発まで4日以上ある場合はチケットを無料で郵送してもらうことも可能。あるいは、指定された期日までに駅の自動発券機(または駅の窓口やブティックSNCF)で支払い、チケットを受け取る。
割引制度
さらに電車の旅を楽しみたい人のために、割引制度の説明など。えっと、フランス国鉄の場合、何もしなくても条件があっていれば適用される割引「デクヴェルト:Découverte」と、会費を払ってカードを購入した人だけに適用される割引「カルト:Carte」というのがあります。
■みんなで行けば恐くない
2人から9人連れで同じ目的地への往復チケットを買う場合、目的地で少なくとも一晩を過ごす(要するに日帰り往復ではない)という条件で、TGV(夜行列車をのぞく)と長距離特急コライユの料金が25%引きに(チケット発行数に限りあり)。また、オフピーク時のコライユ、寝台車、地方急行も25%引きになります(Découvert
à 2)
■思えば遠くに
往復合計200キロメート以上の道程で、少なくとも土曜日か日曜日のどちらかの晩を目的地で過ごす場合、一人でも上記と同じ割引率が適用されます(Découverte
Séjour)
■子供連れ向けの割引
まず、12歳未満の子供と一緒に電車に乗る場合は自動的に適用される(パスポートなど、子供の年齢を証明できるものが必要)、デクベルト・アンファン・プリュス(Découverte
Enfant +)という割引があります。この場合、対象となる子供に付き添う最高4人までの大人の料金が25%引き、対象の子供の料金がその半額になります。ただしTGVを除きオフピーク時のみ。
年65ユーロの会費を払って、カルト・アンファン・プリュス(Carte Enfant +)を買った場合、付き添いの大人4名の料金が最大50%引き(席数に限定あり)になります。残念ながら50%引きの席が残っていないような場合やピーク時で50%引きがない場合でも、25%引き料金が保証されます。また、子供については、3歳までは無料な上に専用席を予約してくれます。カードの申し込みには子供の年齢を証明するものと写真が必要。
■若者向けの割引
12歳から24歳の若者、旅盛りですが、フランス国鉄では自動的に25%の割引が適用されます(証明できる書類が必要:TGVを除きオフピーク時のみ)。これが年49ユーロの会費を払って、カルト12-25を買っとくと、料金が50%引き(席数に限定あり)になります。席が残っていないような場合やピーク時で50%引きがない場合でも、25%引き料金が保証されます。さらにはユーロスターも25%引き、AVISのレンタカーも25%引き、フランス発のユナイテッド航空便も25%引き、欧州他国でも鉄道料金が割引になるなど、特典いっぱいです。
■お達者クラブ
60歳以上のおじいさま、おばあさま、年齢を証明できる書類があれば、自動的に25%の割引が適用されます(証明できる書類が必要:TGVを除きオフピーク時のみ)。年会費50ユーロのカルト・セニオールを買うと、料金が50%引き(席数に限定あり)になります。席が残っていないような場合やピーク時で50%引きがない場合は、25%引き料金が保証されるほか、窓口に並ぶ時間がなく、車中でチケットを買わなければならないようなケースでも(フランスの場合、普通ペナルティーが加算される上に上記の割引は適用されない)、25%引きが適用されます。
■■ バスにのる ■■
バスによる安価な輸送網が発達しているイギリスなんかから見ると、あれっ、という感じだけど、フランスでは大都市間の定期バス路線というのはあまり発達していないようです。そのかわり、ヨーロッパの隣国やモロッコ(!)に行く国際線はあります。この辺をチェック。
どうやって動く?
■■ レンタカーを借りる ■■
パリなどの大都会に住んでると、車を持つのは大変。朝夕はラッシュで身動きとれないし、かえってきたら駐車場所を探すのに1時間もうろうろしなきゃならないことも。保険代もバカんなんないし、ガレージがない場合は盗難やいたずらに気が気じゃない。おまけに、バカンス時期は高速道路も混むしストレスたまりまくり。まあだったら最初から使い捨てと割り切ってぼろ車を買って、という方法もありましょうが、一番スマートなやり方は(少なくとも筆者にとって)、公共交通機関+レンタカーというパターン。利用後なにも残らないってとこが(よくも悪くも)現代消費社会の最先端なんですよ(笑)。で、どうするか。まずはこのシリーズのこれまでの記事を良く読んで目的地を決め、宿を手配する。それから、目的地近くの空港、バスターミナル、鉄道駅にレンタカー会社の事務所(アジャンス)があるかどうかを確認する。えと、空港には間違いなくレンタカーのアジャンスがありますが、小さな鉄道駅には当然レンタカーのアジャンスはない場合が多いです。アジャンスの場所ですが、下にフランスの主要レンタカー会社のサイトへのリンクを用意しましたので、そこで確認して下さい。
で、予約をします。予約は、よっぽど急な場合をのぞいて必ずしておいた方がいいです。特にバカンス期は遅くとも1ヵ月前くらいには予約をしておきたいです。1ヵ月前くらいに予約をしても、当日、「は? 予約されていませんけど?」なんて言われることがあるので(実際、先週そう言われました)、予約番号などは無くさないようにしましょう。これがあると、向こうは言い訳できませんから。予約したのに車がない場合は、右のまゆげをちょっと吊上げるだけで、上のクラスの車両を同じ料金で貸してくれるとか、最寄りの別のアジャンスまでタクシーを出してくれたりします。
車の種類は、まず大きく「乗用車(Véhicules de tourisme)」、「商用車(Véhicules
utilitaires)」にわかれます。また、会社によっては「特別車(Véhicules d’exception、Véhicules
spéciales、Véhicules de prestigeなど会社により呼称はバラバラ、要は高級車とかオープンカーの類いね)」を扱っている場合もあります。で、それぞれ車格によってクラス付けされてます。一番小さいのはスマートのフォア・ツーとか。一番大きいのはルノーのエスパスとか。その上にはミニバスみたいのもあります。商用車は基本的に荷台の体積でクラス分けされています。当然、大きい方が高い。乗り心地のいい方が高い。
貸し出しの単位は、日数だけではなく、走行距離も加味されます。基本的には(日数×基本料金)+(走行距離×キロ単価)という計算式ですが、乗用車の場合はたいてい込み込み勘定(forfait)で1日250キロまで幾ら、ただし251キロ目からは1キロにつき幾ら、というような数え方が多いです。フォルフェの種類は1日だけじゃなくて週末版(金曜晩渡し月曜朝戻し)や距離制限無しなど各社いろいろなサービスを提案しているので比べてみて下さい。
予約は最寄りのアジャンスに出向いてしてもいいですし、予約センターに電話してもいいですし、ネット経由でもできます。ほとんどの会社では予約をどたキャンしてもキャンセル料はとられないようですが、キャンセルしなければならない場合はできるだけはやくその旨伝えた方がいいです。キャンセル手続きもネット経由でできます。
ええと、以下にフランスで車を借りる際の心得を列挙します。
■場所によりいろいろでしょうが、全般的に窓口の対応はものすごく悪いです。すごくむかつきますが、我慢しましょう。
■だいたい21歳以上、運転歴1年以上(実際に運転している必要はないが、免許を初めて取ってから1年以上経過していること。日本での運転暦を含みます)じゃないと貸してくれません。また、大型車、高級車の場合は23-5歳以上じゃないと駄目。運転歴は同じ条件。
■当然ながら、国際運転免許かフランスの運転免許が必要になります。フランス免許への書換等の手続きは、日本大使館のサイトを参考にして下さい。
■このほかにパスポートなどの身分証明書、最近2か月以内の住所証明書(電気・ガス・電話請求書、家賃請求・領収書など)が必要になります。
■支払いは現金、小切手、カードでできますが、それとは別に運転者(あなた)名義のクレジットカードが必要になります。万が一の場合このカードから被害額を引き落とせるよう、レンタル料金とは別に、一定の保証金(車種によって金額は違う)についてもクレジットカードの暗証コードの打ち込みを求められます。この保証金は、その場では引き落とされません。また車が無事に戻ってくれば無効になります。
■この保証金ですが、大型車、高級車の場合は、一枚のクレジットカードでは足らず、二枚(それもうち一枚はゴールド)の提示を求められる場合があります。
■そういう特別な高級車をのぞいては車は選べない場合が多いです。ただ、ちょっと無理を言うと(シトロエンに乗りたいから貴社にしたのに、とか言ってみる)、融通がきくこともあります。
■オプションの車両保険(PAI:一日につき10-20ユーロ程度)は買っておいた方が無難です。
■貸し出し前の車両の状況は、契約書に記入されますが、最近はこれが結構いい加減だったり、省略される場合があります。いい加減なのでこっちもいい加減でもいいのですが、気になる人は、傷やへこみや不具合を見つけたら、エンジンかける前に確認した方がいいです。ただし多少の傷では全く気にしないようです。
■日本同様、返却時には満タンにします。
■ 主なレンタカー会社(アルファべ順)
ADA:値段が比較的安いというので人気の会社です。フランス車じゃない欧州車が多い。
AVIS FRANCE:日本にも支社がある米エーヴィスです。ルノー車が多いかな。
EUROPCAR:ここんちは外車(フランス車じゃない)が多い。トヨタとかも。
HERTZ:これも日本に支社がある米の会社です。
EASYCAR:有名な格安航空会社EasyJetのレンタカー部門。ヴォクゾールとランドローヴァーがあるな。
FordRent:米フォードのレンタカー子会社。当然フォード車のみです。
HOLIDAYAUTOS:これも有名な格安旅行代理店、lastminute.com系のレンタカー会社です。
NATIONAL/CITER:僕の個人的お気に入り。ほとんどがシトロエン車。
RENAULT RENT:ルノー直営レンタカー子会社。大勢が遊びにきた時は迷わずここでエスパスを借りる。
RENTACAR:パリを中心に展開してきたフランスのレンタカー会社。
SIXT:小型・中型車は普通だけど、メルセデスやBMWなどの大型車が安め。