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暮らす:フランステレビ生活の基本
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フランスのテレビは、日本の民放の娯楽番組ほどお金を賭けた作り方をしているわけでもなさそうだし、イギリスのBBCほどクオリティの高い番組を提供しているわけでもない。ハッキリ言って、中庸だよ〜ん(とか言い切っちゃったりして……)。でも、中庸こそすばらしいというあなたや、晩はサッカー中継とビール!という君のために、フランスのテレビ生活の基本を伝授。

□前史
ケーブルの写真なんでフランスのテレビはおもろくないのだ? フランスでは、第二次世界大戦終戦直後の放映開始当初からテレビを国民の文化水準を引き上げる道具として政治的に使おうという政府の思惑が強く、もともと内容が堅く面白くなかった。だもんであまり庶民の人気を集められなかったのだそう。おまけに60年代も中盤になるまでテレビといえば1チャンネルだけ。1964年に二つ目のチャンネルが開局して、カラー放送が始まったころにやっと娯楽番組が始まって、まあ、イェイェ歌手の出演する歌番などが増えるんだけど(それでもニュースキャスターの女性がひざ丈のミニスカートをはいていたというだけで降板されたりしている)、最終的には番組制作費がないという現実に直面、国営放送へのコマーシャル許可や番組制作部門の改編等紆余曲折を経たあと、1987年に第1チャンネルがTF1として民営化、続いて音楽専門局としてM6が開局したと。このほかにLa Cinq(5チャンネル)とTV6(6チャンネル)っていう民放局もあったけど、TV6はM6開局に伴い消滅、La Cinqは1992年に倒産。これでほぼ現在のフランスのテレビ業界の形となったわけだけど、結局国民の文化水準を上げるってな押し付けがましい方針が失敗、庶民の息抜きのための娯楽番組が必要てな路線に途中で方向転換したため、どっち付かずになっちゃってるのね。それに、結構ずっとお金がなくあっぷあっぷしてる感じなの分かるでしょう? これに地上波デジタルテレビ(TNT:Tlévision Numélique Térrestrielle)が加わるわけ。

□セカム(SECAM)方式って?
フランスにはとにかく独自規格が多いですが、テレビの表示方式もそうで、日米のNTSCとも欧州のPALとも違う、独自のSECAM(Séquentiale Couleur à mémoire)という、走査線が819本もある規格(他国は625本)を採用してます。これは1948年に政令で指定されたんだそうです。走査線が多い分、画像はきれいなのだが、外国の方式で録画されたものは見れない。当然フランスは外国付き合いよりも美をとったと(笑)。ま、この方式が採用された時には家庭用ビデオやDVDはもちろん、磁気テープ自体存在していなかったけれど。ところで最近は、日米製ヴィデオゲーム機やビデオカメラ、デジカメなどの普及で、フランスで普通に売っているテレビ受像機やビデオデッキにもNTSC入力端子がついている。それに、ほとんどのビデオデッキで、NTSC方式で録画したVHSビデオが読めるようだ。つまり、日本の友達に録画してもらったテレビ番組も普通に見れるようになった。ただし、あくまでも「入力」端子なので、フランスのテレビ番組をNTSC方式のビデオデッキに録画することは普通できませんのであしからず。あ、PAL方式のビデオも問題なく見られます。

□ペリテル(PERITEL)って?
フランスでテレビとビデオを買ってきて日本人が最初にぶち当たるのは、ペリテル(Péritél)という日本ではまず見たことのないコネクター端子。これを「ペリテルの壁」、略して「ペリ壁」(笑)とでも呼びましょうか。誰もがぶち当たります。だって、正体不明だし、バカでかくてあか抜けないし、入力側も出力側もない。そりゃそうなんですよ、だってこのコネクター、ただ繋いどけば入力側出力側の検出から映像ソースのセレクトまでやってくれる、便利ものなんですもの。少なくとも理論上は……。
ペリテルの正式名称はSCART(Syndicat des Constructeurs d'Appareils Radiorécepteurs et Téléviseurs)コネクターと言うそうで、外側のシールドシェル(囲い部分ネ)も含めて21のピンから成り立ってます。詳しいことは省略しますが、この4番がオーディオ信号のアースになってて、その周りの1番がオーディオ右出力、2番がオーディオ右入力、3番がオーディオ左出力、5番がオーディオ左入力。同じ要領で17番と19番がビデオ信号出力、18番と20番がビデオ信号入力、 RGB信号用のピンもあって5番と7番が青、9番と11番が緑、13番と15番が赤。残りは不明。
で、8番がキーになってて、ビデオデッキなどがここに一定の電圧をかけることで、テレビ受像機がそちらからの映像情報を画面に表示するという、一種のスイッチの役割を果たしているんだけど、SCART規格って衛星放送やケーブルテレビの始まる前に出来たから、今の一般的な応接間みたいにテレビにビデオデッキだけじゃなくてデジタルテレビ向けのデコーダーやDVDプレイヤー、ドルビーアンプやさらにはコンピューターまでがぶら下がってる状態を全く想定していないわけ。ここまで極端に複雑な機器をテレビにぶら下げているケースは少ないと思いますが、例えばDVDプレイヤーをつけっぱなしにしてテレビをつけると、DVDプレイヤーの画面が表示されちゃうわけ。DVDプレイヤーに何も入っていないと、砂嵐になる。ええと、ドルビー・プロロジックについては、対応機種であればペリテルをつなぐだけでちゃんと動きます。

■「ペリ壁」克服裏技集
日本式にテレビの方からみたい映像ソースを選びたいのであれば、単純に8番ピンを抜いちゃうという荒技もあります。あと、衛星放送やケーブルテレビ、地デジなどのデコーダーやレシーバーを併用している場合、画面にノイズが出たり、デコーダーからの番組と地上波テレビの番組が混信することがある。これはテレビ受像機側で19番のピンを抜けば良いことが多い。それから、オーディオ側からハウリングが出たり、ビデオを見ているのにテレビの音声が聞こえるような場合は、テレビ側の1番、3番ピンを抜く。抜いたピンは(多分)元に戻せるので、大胆にやっちゃって大丈夫(なはず)。

□フランスのテレビ
■□地上波テレビ

TF1(1チャンネル):民放(TF1グループ)
France2(2チャンネル):国営(フランス・テレビジョン)
France3(3チャンネル):国営(フランス・テレビジョン〜地方番組にも重点)
France5(5チャンネル):国営(フランス・テレビジョン)
ARTE(5チャンネル):国営(独仏)
M6(6チャンネル):民放(M6グループ)
この6局が、無料で見れる、いわゆる「テレビ」。France5とARTEが同じ5チャンネルなのは、朝晩で局が入れ替わるため。France5は夕方19時まで、それ以降はARTEが放送するという仕組み。これは、フランスの場合コミュニティ・ラジオ局なんかでは良くあるパターン。限られた周波数帯をなるべく多くのステークホルダーに使ってもらおうという配慮。2時間毎に交代なんていうケースもありますな。それから、このほかに各地方独自の地方局がたくさんあります(大抵7か8チャン)。

■□ペイテレビ
Canal+(4チャンネル):民放(カナルプリュス・グループ)
専用のデコーダーが必要です。サッカーファンと映画好きには欠かせませんな。

■□地上デジタルテレビ
TF1(1チャンネル):民放(TF1グループ)
France2(2チャンネル):国営(フランス・テレビジョン)
France3(3チャンネル):国営(フランス・テレビジョン〜地方番組にも重点)
Canal+(4チャンネル):民放(カナルプリュス・グループ)
France5(5チャンネル):国営(フランス・テレビジョン)
M6(6チャンネル):民放(M6グループ)
ARTE(7チャンネル):国営(独仏)
Direct 8(8チャンネル)
W9(9チャンネル):民放(M6グループ)
TMC(10チャンネル):民放(TMCグループ)
NT1(11チャンネル):民放(ABグループ)
NRJ12(12チャンネル):民放(NRJグループ)
ラ・シェーン・パルルマンテールピュブリック・セナ(13チャンネル):国営(上下院中継)
France4(14チャンネル):国営(フランス・テレビジョン)
上の14局は全て無料サービスです。有料部門はいま、圧縮方式の問題などでもめていて、開始は秋口になる模様。
※このほか、以下の4局が2005年5月9日に開局許可を取得しました。
i téléision(6月放送開始)
Europe 2 TV(6月18日放送開始)
BFM TV
Gulliver(仮名:11月放送開始)

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(2005.05.20)



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